【宮廷女官キム尚宮】第四話「立派な器と犬の餌入れ」

宮廷女官キム尚宮

同じ日の同時刻に生まれた2人の娘。ケトンとウナ。誕生日で占う運勢から言えばまったく同じになるハズだが、実際の境遇はまるっきりの正反対。

一方は、下働きの母から生まれたケトン。寺の和尚の世話になって、粗末な服を着て質素に暮らしている。もう一方は、科挙の試験に合格すれば官僚になれるキム・ジェナムを父親に持つ娘のウナ。衣食住の心配ごとなどまったくなく、着飾った服を着て大事に育てられている。

その 2 人がお寺で初めて出会う。ウナの母であるノ氏が、科挙の勉強をしている夫、キム・ジェナムや一族の繁栄のために寺に祈願に来ていたのだ。

 

 

ウナとケトンの上下関係は明白で、言葉の使い方が気に入らないとウナがケトンをたしなめたことに腹を立てるケトン。そしてお寺の案内の最中にウナを川に突き落としてしまう。

和尚に叱られるケトン。彼女はこう言う。「同い年なのに使用人扱いされた腹が立った。人間に上下はないと、和尚様は教えてくれた。

さらに、ケトンは兄と慕うウォンビョからウナが自分と同時刻に生まれたことを知ったためにそのことも和尚に問い質す。和尚は「馬鹿もの」と一喝する。

王様と同じ日時に生まれたから誰もが王様になれないのと同じように、磨き上げられてこそ王様となれる。宝石で作った器も犬の餌を入れればただの餌入れにしかならない。だから、一生懸命、書物を読み、畑を耕すがよい、と諭す。一度餌を入れた器はずっと餌入れのままか、とケトンが問うと、和尚から 「一度餌を入れても宝石だと見抜いてくれる主人に出会えばそうはならない」 と聞くと、顔をほころばすケトン。

そして大仏の像の前で祈る。「お釈迦様、お願いします。私を見抜く人と出会い、立派な人になりたい」それを見ていた和尚は、ケトンにこんなことを言う。
有情積善根後世 轉 殊勝
「つまり、人はよい行いを沢山積めば来世にはすばらしい福に恵まれる。だからお前も善行を沢山積みなさい」その言葉に深くうなずくケトン。

さて、壬辰倭乱の方は小休止の状態ではあるものの状況は悲惨なものだった。疫病のため食糧難となり、その上疫病まで流行し、生き地獄のようだった。

王様もその状況は重々承知している。ついに粗膳を食べると側近に命じる。

王様の食膳は複雑で決まり事が多かった。膳は必ず3 つ用意され、副菜は12種類と決まっていた。また、それらは季節ごとに変えられた。粗膳とはつまり、魚類や肉類を一切使わない膳のことだ。

ただ、側室のインビンは、王様についてはそれはあってはならないことと、カンカンの様子で王様に直訴しようとする。

ところで、ケトンに綺麗な服を着せてやりたい一心でウォンビョは、ウナが住む屋敷に入り込み、ウナの服一着と足袋と履物をひと揃い盗み出すことに成功する。お寺に戻り、ケトンに着せようとするが、和尚に見つかって取り上げられてしまう。

和尚は言う。「スズメがリスの毛をまとわないように人間にもそれぞれ身に付ける服がある。他人の服など必要ない。心に錦を身に付けるのだ。体を覆う衣服など中身とは関係のないものだ」と、和尚独特の言い方で諭す。

ケトンは、ウォンビョに「平気よ。もう着たのと同じだわ」と言いつつも涙が出てくる。

厳しい環境で育ったケトンの涙。そこにはさまざまな思いが含まれていた。

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