春のワルツ第一話「巡り会い」

ユンソクホ監督の四季シリーズ第四作目。映像美や音楽の美しさには定評があり、ずーと楽しみにしていた。

クリスタルデザインのコンテストで優勝したウニョン (ハン・ヒョジュ) は、そのボーナスツアーでオーストリアのウィーンに向かっていた。飛行機の隣の席にはイナ (イ・ソヨン) という女性が座っている。イナは15年ぶりに幼なじみのチェハ (ソ・ドヨン) に会いに行くという。チェハは世界的なピアニスト。

画面キャプチャ：Prime Video

空港にイナを迎えに来たフィリップ (ダニエル・ヘニー)。青いスカーフが目印。ところが、ウニョンの青いスカーフを見たフィリップがイナと思いこんでしまう。客引きと思うウニョン。フィリップはイナの青いスカーフを見てやっと勘違いに気づいた。

チェハに再会できることにドキドキするイナ。ある講堂でチェハがピアノを弾いているところにイナが声をかけるが、チェハが全然覚えていないことに愕然とする。

一方、ウィーンの街を一人で歩いているウニョンを見かけたフィリップ。彼女に声をかけて、道案内を買って出る。お互いに韓国語が通じることが分かった二人は次第にうち解ける。フィリップからコンサートのチケットをもらったウニョンは、コンサート会場に向かう途中の列車でチェハと乗り合わせた。

チェハの気を引こうとするウニョン。英語で「Are you Korean?」 と聞くが反応なし。「こんにちは」や「ニーハオマ」もダメ。そのうちにいねむりをするウニョン。彼女が目を覚ますと、チェハの顔には赤い血 ? が目に入る。いや、それは何とコチュジャンだった。網棚にある彼女のバックからしたたり落ちていた。

画面キャプチャ：Prime Video

それに気づいたチェハは「なんだよ、どいて」と怒って席を立つ。その言葉が韓国語と分かり、彼女も韓国語で「これ着ません」と言い、熊の絵柄の赤いセーターを
手渡す。クリーニング代としてコンサートのチケットも渡した。

ウニョンに名前を聞かれたチェハは、「クリス」と答える。「じゃ私はアリス、不思議の国のアリス」と言うウニョン。

彼女が列車の窓にニコちゃんマークを描くと、それを見たチェハの顔がほころぶ。何となくなつかしい幼い頃を思い出したからだ。「何」と聞くウニョンに、「ある人に似ているから」としか答えない。

列車から降りて、ウニョンがチェハに「会場に一緒に行きましょうよ」と言っても、彼は、さっさと一人で歩いて会場に入ってしまう。

さて、コンサート会場の席についたウニョンは、彼が来るのを待っていた。コンサートが始まり、そのピアノ演奏者を見て驚くウニョン。列車で会ったクリスだった。演奏が終了すると、会場はスタンディングオベーション。

そして彼は言う。「今日はなぜか子供時代を思い出したので、最後に特別な曲を演奏します」と言いつつ弾いた曲が「クレメンタイン」

ウニョンは自分の隣の席に彼が来ると思っていたところが、実は演奏者本人だったことに憤慨する。「待って損した。人を馬鹿にして。イヤなやつ。」怒って会場から出たウニョンの耳に聞こえてきたのがあの曲。階段にへたり込むウニョン。

少年の頃の淡い恋の思い出が浮かんでくる。桜の舞い散る春。あたり一面、黄色い菜の花がまばゆい。その中で少年と少女の姿が映し出される。ウニョンがそれを口ずさむ。目からは涙がこぼれる。

画面キャプチャ：Prime Video

うーん、この曲は、日本でも「雪山賛歌」で馴染みの曲だけどこのドラマでは郷愁を感じさせる。間違いなく、この曲には二人をつなぐ何かがある。

このラストシーンはジーンとくる。何だろう、このせつない感覚は。これがユンソクホマジックとでも言うべきか。グッと見ているものをわしづかみにする手法はさすが。次回からは、二人の幼い頃のシーンがでてくるので、楽しみだ。