囚われの身となっているケトンの母。一瞬のスキを盗んで逃げだそうとするが、3人の物乞いに見つかって連れ戻される。彼女は腹をくくり、物乞いの親分ハサムに2つの願いを申し出る。
「仏の教えでは誘拐も人の縁という。だから、2つの頼みを聞いてくれないか」
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まず、下働きでかつて仕えたファン進士に連れて行く前に夫の墓に連れて行くことが一つ。次に、下働きにしたくないので、娘のことはファン進士に口外せず、死んだことにすること、の二つだ。
ここには子を思う母親の愛情が滲み出ている。
その要望を聞き入れるハサム。その後、月明かりの暗い夜道を歩く4人の一行。ハサム、ハサムの子分2人、ケトンの母。彼らは、ケトンの母の夫が眠るお墓のある場所に向かっている。途中、松明を持った黒装束姿の役人らしき男 2人がやってきた。一行に一瞬緊張が走るものの、何とか怪しまれずに彼らはその場を立ち去っていった。
やっと、目的の地にたどり着く。当たり一面緑の雑草が生い茂っているが、土が盛り上がっているお墓を見つけた。それを見た瞬間、ケトンの母は夫の名を呼んでむせび泣く。夫が棒打ちの罰を受けた場面もフラッシュバックのように思い出す。
ところで、この棒打ちのシーンはドラマとは言え、見ていて目を背けたくなるほど惨すぎるー。
そして、彼女は、そばにいた一人の子分の短刀を見るやいなや、それを抜き取って自分の顔に刃を向ける。「夫のそばで死なせて!! 貞操を守ったために、夫が殺された。戻れば何をされるか分からない。」
親分のハサムはケトンの母を説得して、短刀を奪い取ると、そのまま母を残して、子分らと一緒にねぐらへと戻って行った。ケトンの母は一旦は寺に戻るが結局は和尚に追い返されてしまう。ケトンの運命をよくするには、どうしても母がそばにいてはいけないのだと言う。ケトンの母は諦めて、物乞いハサムの元に戻り一緒に生活することになる。
さて、倭国の侵略についてである。戦乱はまだ続いており、7年にも及んでいた。当然、朝廷や民衆を苦しめ続けた。王様ソンジョは臣下の前でこう言う。
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「よく考えろ、明の援軍がなければ今頃どうなっていたか!! 朝廷はおろか、お前たちも無事ではいられなかった。倭国の暴虐よりも明のほうが容赦がないという声もある。だが、明は勝手に来たのでは
ない。我々が救援を求めたからやってきた。だから明の振る舞いを恨んではならない。」
皆の考えは、との王様の問いに答えたのが左議政(チャウィジョン) のイウォニク。彼は、我々の失態は明に助けを求めた弱さにあると言う。その言葉にうなずく王様。
つまり、朝鮮は開国によって隣国の軍事的な圧力を受けた。備辺司(ビビョンサ)という機関を設け国防に力を注いだが、ソンジョの代で派閥争いが激しくなり国防がおろそかになったとのことだ。
また、このイウォニクは、皇太子クァンヘ君の考えを尊重し、クァンヘも彼に厚い信頼を置いた。クァンヘ君は彼にこう言う。
「倭国は侵略せず、というキム通信士の判断は確かに誤りだった。だが、ファン通信士の意見どおり戦いに備えても倭国の侵略を防ぐことはできなかったはず。原因は我が国が倭国を侮ったからだ。女真族が北方から攻めてきているのにまだ我々は女真族を軽んじている。いずれ力を持ち侵略してくるかもしれない。このままでは危険なので現実を直視すべきだ。」
彼の情勢判断は的を得ていた。
ところで、同日同時刻に生まれた 2人の女性、ウナとケトンは、ケトンが住むお寺で運命的な出会いをする。2人はまだ 9歳、10歳だ。この両者がのちに宮廷で対決することになろうとは誰が想像できたろうか。
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