財閥令嬢のセリが経営する会社は “Seri’s Choice”「セリの選択」
この会社名は、これからのストーリーを象徴するキーワードになる予感がする。
セリは何不自由ない裕福な家庭に生まれ、育てられてきた。自分で会社を起こし、経営の才能もある、美貌もある。天は二物を与えたのか、というほどの「タレント」を持っている。
ただ、やはり、財産がある家に生まれると、兄弟間の財産目当てが火種になるうるのは古今東西変わらない。セリもその渦中の真っ只中にいた。兄弟同士の心は通じておらず、ギスギスしているのが分かる。
セリの父親である会長が執行猶予で釈放され、引退も考えている中で、会長の息子夫婦二組が火花を散らしている。どちらが後継者となるか。でも、会長の思いは、セリに後を継がせたいと思っているし、それをはっきりと伝えた。
「お前を後継者にする」
やはり、その場で聞いていた長男夫婦と次男夫婦の動揺は隠せなかった。セリは子会社の人事権も自分のものにするとハッキリと伝えた。兄弟に横槍を入れられたくない。
セリ自身、会長から指名を受けて身が震えるような喜びを感じていた。そのあと、スポーツウェアの新商品のテストで、パラグライダーに自ら乗ろうとするセリ。
出発当日。広報部長もとまどっている。「なぜ代表が自分で商品テストを?」のセリの答えは、「忙しくなりそうなの、急いで上らなくてはいけなくて」
この一連のシーンは、自分の会社だけではなく、財閥の頂点に立とうとするセリの気持ちが出ている。
強風を心配する広報部長にかまわず、セリは「風が吹くのは、通り過ぎるため、立ち止まらずにね」と答える。進むだけの道を歩いてきたセリらしいセリフ。
今までやってきたことの達成感と、これから背負い込んでいく財閥の後継者としての役割に身の引き締まる思いを持つセリ。
映像で見ても、パラグライダーは気持ちよさそう。
「本当にお疲れさま」
「よく頑張ったわ、セリ」
「あとは高く上り詰めるだけよ」
だが、しばらくすると、雲行きがおかしくなり、竜巻が発生。それに巻き込まれてしまうセリ。
セリが意識を取り戻したときは、高い木の太い枝にひっかかっていたが、その地はなんと北朝鮮。
そのセリを見つけたのが北朝鮮兵士のリ・ジョンヒョク。
ジョンヒョクとの言葉のやりとりで、どうしてもここが北朝鮮とは信じられないセリに対して、ジョンヒョクは、「ここは北方限界線を超えた非武装地帯だ」とはっきりと伝える。
半信半疑で聞いていたものの、なんとかその場を逃げ出したセリだが、北朝鮮の兵士が追いかけてくるので、必死で森の中を疾走するセリ。その中には、危険な地雷原もある。逃げていく中で、鉄柵をも飛び越えてしまう。見張り役の若い兵士は、セリが通り過ぎても、テレビドラマ「天国の階段」に夢中になって気づかない。
ここで「天国の階段」のチェ・ジウとクォン・サンウが出てくるのは何気にうれしいー。やばい、「愛する人たちは再会できる、どんなに遠く離れても最後には戻ってくる」のセリフだけでジーンとくる。
何度も転びながら必死に走り続けるセリ。何かに躓いて倒れ込み、転がりながら大木に体をぶつける満身創痍のセリ。それでも、足もくじいてズボンの膝に血が滲むときでも「これくらいで破れるなんてダメじゃない。帰ったら不合格って言ってやる、覚えてなさい」と、言うくらいの明るさは残っていた。
ヘトヘトになり、木の枝を杖にしながら、暗闇を歩いてやっと、家並みにたどり着いたが、牛を引っ張る親子や、家並みからの人々の会話を耳にすると、何か雰囲気が違うと感じるセリ。
ここはどこだろう。
暗がりだった家並みに街灯が灯され、パッと明るくなった。朝になっていた。サイレンも鳴り響き、「皆さん、律動体操を始めましょう」のアナウンスが聞こえる。家並みから人がぞろぞれと出てきて、ラジオ体操のような運動を始めだした。
学校に行こうとする子供たちのグループもいる。家並みの看板には「人民の楽園」の文字が。「偉大なる首領同志は我らと共に」
呆然とするセリ。やはりここは北朝鮮なの。
そこへ兵士が乗ったトラックがヘッドライトを照らして近づいてくる。
鋭い目の保衛部の男が乗っている。
やばい。
その瞬間、一人の男がセリをかくまったのがリジョンヒョクだった。
第一話の一番の見どころは、何と言っても、やはり最後の壁ドンのシーンだろう。これは二人の今後を占うには申し分がないルール違反の場面だ。うーん、韓国ドラマって、必ず最後のシーンにいいところを持ってきて、続きが見たくなるんだよな。第二話が楽しみになってきた。
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